獣の恋
秋雨のこの時期は湿度がおかしくて好きじゃない。
乾燥して欲しいわけじゃないけれど、なんだか体がしんどくなるからきつい。
バイトをやめ、授業をやめ、時間がありあまっている.....
そんな時にふと思い出すのは彼のこと。
彼のために、何かを始めようとか、そんなことばかり考えている。
だいぶ虚しい。
私は私の人生を、歩むんじゃなかったのか。
思えばいつも、人生がうまくいっているときは誰かに恋をしていた。
彼のために、美しく生きようとこころがけていた。
中高生の時はそれが顕著で、二次元のキャラとの妄想をして毎日を生きていた。
そちらの方が上手くいくって分かってる。
だってそれは、もう1人の自分と常に会話することになるから、結果的にいい方向に進むんだ。
でも、なぜだか今はそれができない。
その為の努力が虚しいから。
彼との未来に悲しむばかりだから。
彼がいない時間は私にとって隙間でしかない。
それに、今更だ。
彼とはもう終わったんだから、自分らしく生きればいいのに。
....じゃあ例えば、誰かを意識して生活を整えながら生きるのは自分らしくないのか?
ただ三大欲求に任せて獣のように怠惰に生きることの、どこが自分らしいと言えるのか?
あー分からなくなってきた。
やっぱり一日家に篭ってるといいことないな。
毎日何かしらメイクをして外に出て、外の空気を吸おう。
今は内圧に殺されそうになっているだけで、本当の私はもっとこざっぱりしていて、なのに奥深い。
そういう自分を私は知ってるよ。
だから、誰のためでもいいんじゃない?
好きなことして、好きなことの為に生きてみよう。
獣の恋はそれからだね。