それは深まる秋のこと
少し前のしとしととした雨が止んでからいっそう秋が深まった。
ショーウィンドウに並ぶ服の色が落ち着いていくのをみるとワクワクする。
秋のこの肌寒さとともに感じられる寂しさのようなものが好きだ。
こんな日は早朝からカフェに繰り出して、テラスで白く色づく息とともに熱々のカフェラテを飲むに限る。
手元には梅津さんの「音のかなたに」を。
ずっと前に買ってそのままだったけれど、やっと文化祭も終わって時間ができたからゆっくり噛みしめるように読み込んでいる。
梅津さんの文章が好きだ。
洗練されているのに、どこか影があって、きっと私に似たような何かを抱えているのだと思う。
外れ者の意識がきっとあるんだろうなぁ....こんなことを思うなんて烏滸がましいけど。
まぁそんな贅沢な時間ばかりじゃないのがクソニート野郎の日常であって、文化祭が終わってついでに月のものも近いからイライラしまくり三昧である。
無駄に飯を食い、やる事もないので寝、また飯を食い、バイト先に辞める連絡をし、飯を食って今やっと内定式に向かうために電車に乗っている。
クズの所業である。
せっかく親が来て整えてくれた部屋も一瞬でお部屋と化した。
本当恥ずかしい、これなら嫌でもバイトに行っていた方がいくらかマシだ。
早く次のバイト先見つけよう。
そんな時にセフレの彼から連絡、平日なのに夜のお誘いだった。
もうこれはどう否定しても無理、セフレ確定である。
彼女の代わりでもなく普通に性欲のはけ口である。
いやそれもいいんだけどさ、虚しくなるからさ...せめてなんとか体裁を保ってくれないかな....。
今日は内定式だし、彼の家に泊まるなら明日も朝早く家を出なければいけないからそんなことならもっとちゃん時間をとって会えないかなぁなんて期待と、一度断ってそれでも会いたいからお願い!とか言われたいなぁなんて不純な期待をこめて丁重に断ったら「おっけー!」だってさ....。
悲しみの乱舞である。
あぁくそ本当なんなんだよ、上手くいかねぇよな人生って。
でもビックリなのがさ、生理終わったらまた上手いこと人生回り出すって話なんだよ。
あぁ嫌だなぁ、もういっそピル飲もうかなぁ....。
今週末、彼と会えたら沢山キスして抱きしめたいなぁ。