斜陽

ネガティヴ音大生の憂鬱

遊ばれるアホのこと

アホが、また人を好きになった。

今度もまた彼女がいた。

たぶらかされて、遊ばれてるって分かってるのに、それでもいいと思ってしまう私がいる。

 

(ちなみに、今まで好きになった人は一人を除いて皆んな彼女がいた)

 

特別顔がいい訳でもなく、ただなんとなく声がかわいくて、話していて楽しくて、いい気分にさせてくれる人。

関西弁がたまに出るのがかわいくて、年上の余裕ゆえかわがままに付き合ってくれるのが好き。

 

育ちがいい話し方をするし、私よりずっと頭がいいから話していてストレスがない。

コミュ障の私とも、言葉にない部分を想像しながら話してくれるから本当に気持ちよく会話が続く。

こんな人もいるんだなぁって、感動したのを今でも覚えている。

 

思えばずっと彼女がいるかどうかはぐらかされていたのに、私はいい気になって期待して、もうだいぶ好きになっていた。

それで少し前に彼女がいると聞いて、なぜか分からないけど、余計に好きになってしまった。

 

なぜだろう、手に届かないものに燃える性質なんだろうか。

だからフラれた後が1番恋してたりするんだろうか。

なんなんだこれ本当マゾすぎて引くぞおい。

 

彼から彼女の話をされた夜、電話越しの「嫌いになった?」という彼の声に多分ここ最近で1番泣きそうになった。

なんでそんなことを聞いたのか、私には分かりたくもないけれど、というかなぜか考えて答えを出してしまうのが悲しいからしないけれど、私はただ夜空を眺めながら「嫌いじゃないよ......好きでもないしね」なんて馬鹿なことを言ってしまった。

 

彼は少しの間を置いて、「そっか、よかった」ともらした。

なんだそれ、なんなんだよなぁ。

私の気持ちは置いてけぼりで、地元に置いてきた彼女の代わりに適当に遊びたかっただけなんだろ。

面白いよな、私だって最初から分かってたはずなのにな。

知らないふりしてた自分のくせにな。

なんなんだよな、アホくさい。

 

 

 

ねぇ、でも好きなんだよ。

そういうところが好きなんだ。

人の懐に入るのが上手いくせに、核心はつかない、そんなラフなあなたが好きなんだよ。

 

アホだよ、アホなんだよ私は。

私を好きにならない人ばかり好きになって、その度に悲劇のヒロイン面して、恥ずかしくないんかいおい。

でももうしょうがないんだよ、好きなもんは好きなんだ。

今更嫌いになんてなれるはずないじゃない。

いつかくしゃくしゃにしてポイッてされて、結婚しましたの連絡もなく、ただ1人でえんえん泣くんだろうな。

 

なんだよなぁ。

幸せになりたいよなぁ。

くそ、アホだから多分今日も彼の夢みるんだよ。

それでまた朝になってまた悲しくなって、馬鹿みたいに泣くんだ。

 

あぁ嫌いになりたい。

嫌いになりたいよ。