茹だる昼下がりのこと
10月も気づけば終わりで、夜はマフラーが欲しいほど冷えるようになった今日この頃、持て余した時間が確実に私を蝕んでいるのにまだ気づかないふりをしている。
1月の就活に向けて、授業を極力まで削りバイトをやめ順番万端....は良いものの結構焦っている.....
繋ぎのバイトを探そうにも今からの短期だと土日も出るようなものしかないしなんだかんだ今までのバイトより条件の良いものなんてない。
じゃあ辞めなきゃよかったんじゃ?となってきて、いやいやあのままストレスフルな生活を続けてたら確実に胃に穴が空いてた....とかぐるぐる考え続けている....。
とりあえず今考えているのはゆるそうな短期バイトをやりつつ、ずっとやってみたかった夜のお仕事に手を出してみたいということ。
一度経験としてやってみて、社会勉強のついでにお小遣い稼ぎしてみようと、そんな魂胆だ。
しかしまぁいつもそうだけどバイトを始めるのってエネルギーのかかることで、どんどん鬱になっていく。
しんどいなぁ、もう。
なんだかんだ言いつつもちゃっかり土日休みのところを探しているところからして私の意志の弱さが垣間見える。
普通に彼と遊びたいがためにあけているんだ....誘われるかも分からないのに。
この鬱の本当の原因はちゃんと分かっている。
彼が今週末地元に帰るから、その話を聞いてしまったからだ。
そりゃあ好きな人が他でよろしくやってるなんて状況、普通じゃ考えられないし、逆によく耐えてるよって感じだ。
そう、だから夜に電話をしてくれないのも、LINEがそっけないのも、私の考えすぎとかじゃなくて、彼女との週末を楽しみにアレコレ準備してるからに決まっているんだ。
そんな風に察してしまったら、今度はもっともっと悲しいことを想像してしまって今本当に辛い。
クリスマスはきっと丁度連休になるから地元に帰ってイチャイチャして私に相談してたプレゼントをするんだろうな。
コフレかな、指輪かな、あぁ羨ましいな。
とびっきりいいレストランに行ってそのままホテルに行って車でお家まで送ってまだ帰りたくないとかなんとか言って、それはそれは楽しいことをするんだろうな。
私とは違って全部彼持ちで、彼女に何もかも捧げてすがって。
なんだよこの差は辛すぎだろバーニー。
死にてぇわ、なんでこんなこと考えなきゃいけないんだよ辛い。
こんな無駄な時間あっちゃダメだろ、もっと自分で自分を楽しませなきゃ。
って言っても今集中できるようなことはなくて、無気力で、お酒を飲んでは吐いて胃が死んで。
宙ぶらりんで気持ち悪い状態なのに頭の中はフルで回転してる。
辛い、ヒートしそうだ。
熱い。
身体は自分でも驚くほど冷たいのに、なぜこんなに熱いんだろう。
こんな風にしていると時々彼の言葉が蘇る。
ーーまぁもう少しで振られる予定だから
振られる、予定だから。
降る予定は、ない。
そういう意味があの言葉には確かにあったと思う。
現実は言葉が発せなくなるほど残酷で、私の心はもう限界を迎えようとしている。
楽しいばかりだったら、よかったのに。
どうしてこんな、醜い私になっていくのだろう。
いつもだったらここで悲しみを怒りに変えて、絶対にかの女に勝るほどの美しさと洗練さを手に入れてやると躍起になるのに、今ではそれすら虚しいと思えてしまう。
美しくなったところで、だからどうだと言うのだ。
アイラインも引けないような女に、今の自分ですら勝てないままだというのに。
あぁ悲しい。
熱に犯された頭が悲鳴をあげて、辛い辛いと叫んでいる。
私に何ができる、一体何なら必死になれる。
彼を忘れられる時間が欲しい。
あぁそれは茹だる昼下がりのことである。