斜陽

ネガティヴ音大生の憂鬱

それはいつか終わりを迎えること

 

いっそう秋も深まり、寒さに凍えながらも美しい紅葉を眺めたくなる今日この頃。

秋の長雨の中、新宿の公園近くのベンチで豆乳ティーをすするのがたまらなく好きだ。

何も考えない、けれど確かに思考が刺激されるこの瞬間が好き。

 

 

昨日はいつも飲んでいるマイスリーを半分に割らずに飲んでしまって、副作用が強すぎですぎてしまった為になんかおかしな電話を彼にしてしまった。

面倒くさい女にだけはなりたくないのに、こうやって色々なものをなくしていくのだろうか。

薬に頼らず眠れるようになりたいと今日ほど強く思った日はないだろう。

 

無理に会いたいとせがんでまた金曜日の夜に会う約束をしてしまったけれど、今度こそは断ろうかと本気で悩む。

一応土曜日の朝は授業があるし、彼は次の日も仕事だというから行かない方がいいのは明確。

それでも、来週には帰省してしまうそうで、それを聞くと断り難くなってしまうのも当然。

 

この、気を揉む時間が、1番嫌だと、何度嘆けばいいのだろうか.....

 

 

あぁ、考えてはいけないけれど、彼が私を選んでくれたのならなんてことをモヤモヤと想ってしまう自分がいて苦しい。

 

君じゃなきゃダメだ、なんて言われて、手を引かれてきつく抱きしめられて、人目も憚らずにキスをされたい。

その瞳の曇りないのを見て、本気だと確信したい。

 

もう誰かのところで共に夜を過ごしているのを笑って容認しなくても済むんだ。

ヤキモチを焼いても、時間を独占するのも許されるんだと、泣いて喜びたい。

 

 

あぁそんな風に、ありもしないことをぼんやり夢想しては悲しくなっているんだろう。

とてつもない虚無感が私の肺を押しつぶしてしまいそうだ。

息も絶え絶えに、滲む世界に、でもきっといつか終わりのあることだからと言い訳をして知らないふりをする。

 

何事も、いつかは終わりを迎えるものだから。

それは例えお付き合いできたとしても、結婚できたとしても、離別したり死別したり色々な種類があるけれどやっぱり終わりがある。

だったら、もういいじゃない、そんな些細なことに涙するのは。

 

いつかくる終わりの為に、今この幸せを手放すのか。

そんなことの為に自分を制御して生きるのか。

つまらないことの為に、日々を曇らせて生きるのか。

 

そうだ、そうやって考えればもっと答えはシンプルになるはずなんだ。

簡単なことだけど、忘れやすいことだから、思い出したらここに書くようにしよう。

 

その苦しみは、永遠ではない。

その幸せも、きっと永遠ではない。

でもだからこそ、人は生きられるんだ。

終わりがない苦しみを、私たちは知らずに生きていられる。

 

きっと大丈夫、それはいつか終わりを迎えることだから。